カンフーマスターの伝説




K−1見ました? (挨拶)

(ここで言うK−1とは、2003年11月18日に行われた「K-1 GRANDPRIX WORLD MAX 2003」のことです)



いきなりだけれどおれは魔裟斗があまり好きではない。

といっても別に明確な理由があるわけでもなく、ただ「顔つきが気に入らない」

とか、 「どことなくヤンキーっぽい」 とか、「カッコつけてるわりに足が短い」 だとか、

魔裟斗本人にしてみれば何のいわれもないことばかりで恐縮なのだが。

あと 「格闘技界のファッションリーダー」 とかいってチヤホヤされて、

ファッションショーなんかにホイホイ出ちゃうトコもなんかヤだ。

まあ、人気に実力が伴なってるからしょうがないんだけど。






一方、おれは小比類巻貴之が大好きだ。

かつてはISKA (International Sports Karate Association、キックにおけるIWGPみたいなもん)

世界スーパーウェルター級のベルトを獲り、魔裟斗の最大のライバルとしてK−1中量級を共に支えた選手で、

仮に魔裟斗をケンとすると、小比類巻はリュウのポジションに当たる。

わかりやすく言うと。

3年ほど前に格闘技雑誌で見て以来ずっと応援していたのだが、最近は負けが込んでてあんまり出てなかったのだ。

で、今回久々のリング。


うわーがんばれ―――――(←テキトー)。



そんな小比類巻選手に対するは、「カンフーマスター」 トニー・バレント

まずファイトスタイルが「カンフー」 なのがおもしろい。


あくまでジークンドーじゃないんだね!!




そして外見はパッと見 「え? ひょっとしてジム・ケリー !?」 というかんじの陽気なアメリカ人風。 黒い。


(ジム・ケリー:『燃えよドラゴン』に出てた脇役の黒人俳優。アフロ。

全米カラテチャンピオンらしいが、口だけ。ちなみにこんな人


しかもコスチュームはブルース・リーが 『死亡遊戯』 で着てたトラックスーツ(『キル・ビル』でおなじみのアレ)

どうやら彼は熱烈なブルース・リーのファンらしく、攻撃の際もいちいち

「ホアァ――――ッ!」 だの、「ァアタァ――――ッ!」 などという怪鳥音を入れる始末。



こいつぁモノホン(のバカ)だぁ――――――!!




もう試合前から楽しみでしょうがない。




で、試合開始。



序盤は様子見のためか消極的な小比類巻に対して、左右のスイッチングや突然のバックスピンキックでなど、

トリッキーな攻撃を見せるバレント。



なかなかやるじゃないか。



しかし小比類巻がおもむろに出した右ローキックが左足にヒット。



あ、効いてる。



2R、小比類巻のミドルキックを食らってダウン。



‥‥あっれぇ?



さっきから見てるとコイツ、技らしい技はバックスピンキックしか出してない。


しかも当たんねぇ。




あと左足にダメージ受けてんだから左スタイル(右足が前)で固定してればいいのに、

またスイッチングし直してボッコボコ左足蹴られてる。



そしておれの中でよぎる、一抹の不安。




ひょっとしてコイツ、シロートなんじゃねーか‥‥?




そう思い始めた矢先、実況からのコメントが。




「このトニー・バレント、熱烈なブルース・リーマニアで自宅の寝室の壁は一面ブルース・リーの

ポスターやグッズに囲まれているということです! 今回日本に来て2日間その部屋を離れると、

もう頭がおかしくなりそうだと話しておりました!」







・・・・さらに。






「彼は普段の外出時にもこのコスチュームで出かけるそうです!」


















アホだ‥‥





オマエは『浦安鉄筋家族』の春巻か。



そんなのタダのヲタクじゃないか‥‥



だいたいファイトスタイルが 「カンフー」 の時点でおかしいと思ったんだよ。

そもそもカンフーというのは中国拳法の総称であり、「カンフー」という格闘技そのものは存在しない。

もしジークンドーをやっているならそっちを書くハズ。 すなわちコイツ、ジークンドーはやってない。

(ジークンドー:ブルース・リー本人が創始した、目突き金的何でもありの超実戦的総合格闘技。

基本的に競技者はみんなブルース・リーマニア。)



てことは、この人のやってることってのは要するに‥‥










ブルース・リーのモノマネ








‥‥清水アキラの方がうまいぞ。






というワケで、こんなK−1をナメきった奴は許せないので小比類巻選手、一思いに殺っちゃってください



相変わらず無意味なスイッチングを繰り返すバレントに、右のローキックがガンガン入る。



「コヒィィィィィッ!! 殺せッ!! そんなヲタク野郎は殺してしまえェェェッ!!」



と、テレビの前で物騒な野次を飛ばすおれ。 かなりヒートアップ。



ああ、コイツはもうダメだな。




そして右ミドルキック一閃。




みぞおちに入りました。




はいダウーン。 立てますか? 立てませんね?

(画像・小比類巻のキックに屁をたれながら許しを乞うバレント)




試合終了。 ああおもしれえもん見たなあ。



小比類巻選手バンザーイ。





そんなこんなで、今日のK−1は面白かったです。



村浜もホントいい試合するなあ。 負けちゃったけど。







(ジム・ケリーのそっくりさんは放置でいいや。)







おまけ:トニー・バレントブロマイド ご自由にどうぞ。





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